*ベクターワンライ(#ベクター版よからぬお絵描き60分一本勝負) 參加作
*お題: 真月零
*性愛的描写が含まれることがありますが、特定のCPを直接的に言及することはありません。 どうか自由に想像してください。
*韓國語原文: utopia-m.tistory.com/71
┗韓國語原文の作成後翻訳機を使うので文法が不自然かもしれません。
弱者と善人は違う、紛らわしい事実だ。
世間では通例弱者と善人を同一視する。 悪は強者の専有物だと前提する。 愚かな考え方だが、理解できないわけではない。 ゲームの終わりを告げるのは大抵恐ろしい魔王の役割で、漫画や小説などに出てくる悪役も凶悪な爪や赤黒く染まった剣のようなものをアクセサリーのように持っているから。
しかし間違いは間違い。 要するに弱者は悪意を表出する能力がないだけだ。 魔王の使いをするのが精一杯の、爪も剣もない雑魚は人災になれないのが自然だ。 弱さでごちゃごちゃに伏せた悪さ。 見窄らしい真実だ。
まあ、単純に犯した悪事の数だけ数えれば、弱者は相対的に善人になることはできるだろう。 村を燃やしたり正義の主人公一行を阻んだりすることは少なくとも弱者の役割ではないから。 その見窄らしさが好きなのかもしれない。
「ベクター、何をそんなに一生懸命思ってるの?」
それでは奴も『ベクター』より『真月零』が好きなのか。 声に引かれるように主人公(奴)に視線を向けた。 反駁すら許さない善人。 魔王(俺)まで許した者。 そんな奴だから、真月がもっと好きになるのが自然だ。 その方がもっと似合うんだけど···。
「一つ聞いてもいいか。」
「うん? 何?」
「君はやっぱり『ベクター』より『真月零』が好きか。」
流れ出た質問。 奴が目をぱちぱちさせる。 やっぱり? 反問するように呟いたが、敢えて何かを答えなかった。 やがて自分の顎を撫でながら物思いに深けった奴は、ゆっくりと口を開いた。
「よく分らない。 ベクターであれ、真月であれ、俺には大切な人だから。 もっともベクターは結局真月で、真月は結局ベクターだろう?」
一寸も予想を裏切らない答え。 約束された優しさ。 今度も奴はいつものように見慣れた答えを出した。 何度も心臓をねじるが、まったく飽きのこない言葉だ。
「そうか。」
ただ、そうやって文章を締めくくった。
「ところでそれは何で急に聞いたの?」
「どうだろう。 秘密。」
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