*ベクターワンライ(#ベクター版よからぬお絵描き60分一本勝負) 參加作
*お題: ハニー
*性愛的描写が含まれることがありますが、特定のCPを直接的に言及することはありません。 どうか自由に想像してください。
*韓國語原文: utopia-m.tistory.com/50
┗韓國語原文の作成後翻訳機を使うので文法が不自然かもしれません。
「ねえ、ベクター。 愛称についてどう思う?」
愛称? 声に頭を向けた。 いつもと変わらない、無邪気な表情の奴。 それとは対照的に疑問で眉間をしわくちゃにした俺。 またいつものように譫言を並べ立てようとしているのか。 別の人間だったら無視しただろうけど···どうも奴の前に立つ気になれなかった。 まるで拒否する方法さえ学べなかった子供のように。
「愛称ならあれだろう。 とても甘いニックネーム」
「うん。 例えばベクターを···『ハニー』って呼んだり?」
ビクッ。 抵抗する暇もなく手先が震えた。 ただの、ただの単語なのに。 言語の断片に過ぎないのに。 よく知っているのに。 瞳にアウトフォーカス。 視野に奴だけが鮮明になる。 脳を囲む甘い匂。 わざと平静を打ち出した。
「なんでよりによってハニーなの? 他の単語も多いのに」
「それがね…」
らしくなく少し躊躇う奴。 息抜きをしばらく、奴はゆっくりと俺に手を伸ばしてきた。 そっと握った俺の髪。 奴の手によって朱黃に落ちた光が柔らかく砕ける。 俺をよく麻痺させる優しさ。
「以前からそう思っていたんだ。 ベクターの髪、オレンジ茶に蜂蜜を入れたようだって。 なのでハニー。 蜂蜜」
手を逸らしながら緩やかに目尻を曲がる奴。 そう、奴はいつもこんな具合だ。 このように悪意一点もなく詭弁をならべる。 俺とは生きる次元の違う人間。 永久に埋められない利害の溝。 其れにも拘らず、嫌悪感や不快感は感じなかった。 その理由すらわからなかったが。
「……下らない理由が出てくるとは考えたけど、やっぱりだね」
「えっ。 そんなに変だった?」
「変だった」
だからそんな愛称で呼ぶな、とは言わなかった。
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